当財団は1991年3月に設立されました。振り返れば、設立の当時に老人問題として顕在化してきていた「老人性痴呆」に関心を向け、その疾患の原因を研究し根本治療薬の開発につなげてもらいたいとの思いで、
研究者への研究費の助成金支援や講演会を通して早期治療法や介護法の普及啓発活動に取り組んでまいりました。
2004年に「痴呆症」は「認知症」と用語変更がなされ高齢者の増加とともに、よく見られる病気となりました。わが国では急速な高齢化の進展により、重大な社会問題と認識されています。
厚生労働省からは、認知症の人も含めた国民全体で共生社会を作るために、新オレンジプランの策定、認知症基本法の成立などの対策が講じられています。その背景には近い将来高齢者の5人に1人が認知症患者になるともいわれている状況があるからです。
当財団では、これからますます必要性が求められる認知症治療において、研究開発の一翼を担えればとの思いで、AIや新技術を使った若手研究者への医学研究助成や海外派遣助成をしっかりと行っていく所存です。
また、認知症の正しい理解と対応について、最新の情報を広く府民に対し講演活動を通しての普及啓発を図ってまいります。
今後とも当財団にご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
公益財団法人 大阪認知症研究会 理事長 後藤田 公一